表装とは

書や絵画を紙や布で裏打ちをして補強し、それらにふさわしい装飾を施して掛軸や額に仕立てる伝統技術を表具あるいは表装といいます。その代表は掛軸で、額装や屏風・衝立、巻物・手鑑・画帖のほか襖などがあります。表具はこうして仕立てられたそのものを指す場合もありますが、表装の言葉は掛軸や額・屏風を仕立てる場合に多く使われます。表具・表装の機能と目的には鑑賞だけではなく保存も含まれます。
多くの伝統産業と同様に、表具もまたこの京都を中心に発達してきました。寺社、宮中、茶道の各家元といった、高度な表具の需要を大量に生む土地柄であったこと、西陣織や吉野の紙など良質な材料の調達に便利であったこと、寒暖の差が大きく盆地ゆえの風が少ない気候条件などが、京表具の発達を促した要因であるといわれています。加えて全国のおよそ2割の国宝・重要文化財を有する日本美術の宝庫としての環境や、人々の暮らしにいきづく美的な感覚もまた、その芸術性を洗練させたといえるでしょう。京表具は平成9年に経済産業大臣(当時は通商産業大臣)によって「伝統的工芸品」に指定されました。また、平成19年には「地域団体商標制度」により商標登録もされています。このように「京表具」の名は大正時代から高級表具の代名詞として知られ、平成の今日も、品質と芸術性の最高水準を表す名称として認知されています。
ここで、京表具に関する事項をまとめました。
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