組織紹介

ごあいさつ

表具の歴史は古く、わが国では飛鳥時代に仏教とともに伝わった経巻の制作が最初といわれています。その後、平安、鎌倉時代を経て次第に日本的な趣味を吸収し、室町時代になると「床の間」ができて、表具は一大完成期を迎えました。
他の伝統工芸の多くがそうであったように、表具もまた京都を中心として発達してまいりました。古くから芸術や宗教の中心であった京都では表具の需要が多く、品質的にも高度なものが要求されました。それらにこたえてきた私たちの先人が、協同組合京都表装協会の前身となる京都表具業組合を設立したのが明治42年(1909)7月のことでした。そして戦時下の困難な時代を乗り越えて、平成21年(2009)に当協会は設立100周年の節目を迎えることができました。また、まさに組合設立のその年に第1回展を開催した「表展」も、戦時中の一時期を除いてほぼ毎年開催されており、平成27年には記念すべき第100回展を迎えました。
昨今、伝統産業を取り巻く環境は非常に厳しいものがございますが、今後も先人たちが築き上げた伝統と誇りを胸に、表具の品質と芸術性の最高水準を目指してまいる所存でございますので、どうかよろしくご指導・ご鞭撻のほどお願い申し上げます。